竜太のテクニカルメモ

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中心力の発散と次元の関係

前回は中心力の発散が原点も含めるとデルタ関数4\pi倍になることを示しました. 今回は原点以外で中心力の発散がゼロになるのは空間次元と等しいべき乗が分母にかかっているときであるということについて証明します. つまり,空間次元をdとするとき,

\begin{align} \boldsymbol{\nabla}\cdot\left(\frac{\boldsymbol{x}}{|\boldsymbol{x}|^n}\right) = 0 &\Leftrightarrow n = d \end{align}

が成り立つことを示します. ここで,\boldsymbol{x} = (x^1,x^2,\dots ,x^d)で,|\boldsymbol{x}| = \sqrt{\sum _{j=1}^d{x^j}^2}になります.

証明は次のようになります:

\begin{align} \boldsymbol{\nabla}\cdot\left(\frac{\boldsymbol{x}}{|\boldsymbol{x}|^n}\right) &= \sum _{i=1}^d\frac{\partial}{\partial x^i}\left(\frac{x^i}{|\boldsymbol{x}|^n}\right) \\ &= \sum _{i=1}^d\left(\frac{1}{|\boldsymbol{x}|^n}\right) + \sum _{i=1}^dx^i\frac{\partial}{\partial x^i}\left(|\boldsymbol{x}|^{-n}\right) \\ &= \frac{d}{|\boldsymbol{x}|^n} + \sum _{i=1}^dx^i(-n)|\boldsymbol{x}|^{-(n+1)}\frac{\partial}{\partial x^i}\sqrt{\sum _{j=1}^d{x^j}^2} \\ &= \frac{d}{|\boldsymbol{x}|^n}- n\sum _{i=1}^d\frac{x^i}{|\boldsymbol{x}|^{n+1}}\frac{1}{2}2x^i\frac{1}{\sqrt{\sum _{j=1}^d{x^j}^2}} \\ &= \frac{d}{|\boldsymbol{x}|^n}- n\sum _{i=1}^d\frac{{x^i}^2}{|\boldsymbol{x}|^{n+2}} \\ &= \frac{d}{|\boldsymbol{x}|^n}- n\sum _{i=1}^d\frac{1}{|\boldsymbol{x}|^{n}} \\ &= \frac{d-n}{|\boldsymbol{x}|^n} \end{align} これがゼロになるのはd=nのときだけになります. そして\frac{\boldsymbol{x}}{|\boldsymbol{x}|}が単位ベクトルであることを考えると, \frac{1}{r^m}に比例する力においてm=d-1のときにしか発散がゼロにならないため閉じた円軌道を解に持てるのはこの場合だけであることが分かります. この為,私たちの空間がちょうどd=3次元の場合,電磁力と重力はどちらもr^2に反比例する力だからこそ円軌道の解が得られることが分かります.


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