竜太のテクニカルメモ

物理やへっぽこなゲーム作りについて易しく解説するよ

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光シャッターを操作する時刻を測定しないと重ね合わせ状態になるか?

竜太です.

今回は光シャッターと原子時計を使った実験装置に関する思考実験をしてみたのでご紹介します. 光源から出た光を減衰板で減衰し,一度に数個しか光子がない状態を作ります. この光子を45^{\circ}に傾けた水平偏光板を通過させ,原子時計で操作される光シャッターを利用した偏光板を通過させます. 原子時計の2進数で表した時刻の一番小さい桁が1のとき,垂直偏光を通し,0のとき水平偏光を通すようにします.

光シャッターを操作した時刻を表示したとき

原子時計の時刻が表示されているときの状態は恐らく次のようになるでしょう:

時刻表示ONの場合
上の図は仮に時刻"1"の状態を表しています. 時刻1なので45^{\circ}を通過した偏光|\nearrow\rangleは垂直偏光成分だけが通過できるので通過後の状態は \begin{align} |\nearrow\rangle &= \frac{1}{\sqrt{2}}(|\rightarrow\rangle + |\uparrow\rangle ) \\ &\to |\uparrow \rangle\langle\uparrow|\left[\frac{1}{\sqrt{2}}(|\rightarrow\rangle + |\uparrow\rangle )\right] \\ &= \frac{1}{\sqrt{2}}|\uparrow\rangle \end{align} になります. 最後に再び45^{\circ}傾けた偏光板を通過させると \begin{align} \frac{1}{\sqrt{2}}|\uparrow\rangle &= \frac{1}{2}(|\nearrow\rangle + |\nwarrow\rangle ) \\ &\to |\nearrow \rangle\langle\nearrow|\left[\frac{1}{2}(|\nearrow\rangle + |\nwarrow\rangle )\right] \\ &= \frac{1}{2}|\nearrow\rangle \end{align} という状態が得られます. 最初の状態と比較すると\frac{1}{2^2} = \frac{1}{4}個の光子数になっていることが分かります.

光シャッターを操作した時刻を測定しないとき

さて次に,光シャッターを操作したときの原子時計の時刻を測定しないようにするために表示をOFFにしてみましょう. こんな感じになるでしょうか?

原子時計の時刻表示をOFFにした
今回は光シャッターを操作したときの一番下の桁の時刻が1か0か原理的に分かりませんので重ね合わせ状態になっているものと考えられます. 実際に僕が実験したわけではないのですが,もしこの仮説が正しいなら,水平偏光板と垂直偏光板を通り抜けた結果は45^{\circ}偏光板を通り抜けた状態となり, 最後の45^{\circ}偏光板を素通りすることになるので光子数は\frac{1}{\sqrt{2}^2} = \frac{1}{2}になるはずです.

この結果が本当なら何を意味するのか?

もしこの通りになったなら,この結果はたとえ水平偏光板と垂直偏光板の組み合わせを通り抜けただけの光子の偏光状態が, そのどちらでもなく,45^{\circ}偏光になってしまうということが予想されます. 果たして量子力学的にこんなことが起こってしまうのでしょうか? 高速度で動作する光シャッターと原子時計があれば実験できますのでどなたか実験していただけると嬉しいです^^

・・・まあ無理か^^;

ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^


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