竜太のテクニカルメモ

物理やへっぽこなゲーム作りについて易しく解説するよ

ユニティちゃんライセンス

このブログはユニティちゃんライセンス条項の元に提供されています

あみだくじを1ステップで解く光学回路

ども,竜太です.

久しぶりの更新となってしまいました^^;

さて,今回はあみだくじの答えを僅か1ステップで解く光学回路を考えてみましたのでご紹介します. なお今回は量子コンピュータにはなっておらず純粋に古典回路ですのでご注意ください.

あみだくじの性質

まずあみだくじとは次のようなものでした:

あみだくじの同値性
上の左の図のように番号が振ってある棒をたどって通常の仕方で下まで行くとき異なる場所にある同じ番号のところに出ます. これを選んだ棒の番号全部について実行しそれぞれの出口が決まるというのがあみだくじのルールです.

なお,あみだくじには次のような性質があります:

  • 横棒同士の位置関係を変えなければ棒の間隔や長さを自由に変えてもあみだくじの出口は変わらない
  • 下に降りた時左右両方に同じ高さに横棒は出ない
  • 下に降りた時棒の出ている方向に移動し突き当ったらまた下に行く
  • 出口の順番が変わるだけで全部の入り口がそれぞれただ一通りの出口に行く

あみだくじは実は互換の積で表せる!

これは実は数学的には置換の積で表せます. 例を挙げましょう.

あみだくじは互換の積で書ける!

上の図のようにn本目の棒とn+1本目の棒の間に横棒があるとき,n本目の棒からスタートするとn+1本目の棒に出て, 逆にn+1本目の棒からスタートするとn本目の棒から出るのでこれは二つの添え字を入れ替える置換,つまり互換

 \begin{pmatrix}
n&n+1\\
n+1&n
\end{pmatrix}

を意味します.左右両方に出る横棒がないため,任意のあみだくじはこれらの互換の積で表せます.

光回路であみだくじを実現する

2つの棒の間の光回路
上の図のように異なる色の光をあみだくじのそれぞれの入り口から入射すると反射を繰り返して一つの出口から出ます. これを見ると色によってどの入口がどの出口に対応するかが一目でわかります. これはいったん回路を組み立ててしまえば色のついた光源の電源を入れた瞬間に答えが分かることを意味します. 最初の例ですとこうなります:
あみだくじの光回路の例

この回路ができることは?

この回路はあみだくじを一瞬で解く回路です.ここであみだくじとは数学的には互換の積を解く問題ですから,この回路は実際互換の積を解く回路として利用できます. ただし,互換の積を求める問題は元々多項式時間で解ける問題を解いていることになります. したがって今のところこの回路を実際に組み立てるメリットは少ないかもしれません.これが学術的により意義のある量子回路に拡張できれば良いのですが,僕は今のところアイデアが出ません^^;

ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^


物理学ランキング


量子力学ランキング

にほんブログ村 科学ブログ 最先端科学・最新科学へ
にほんブログ村