竜太です．どーも．😊😊
今回は能動的発電(Active Power Generation (A.P.G))と受動的発電(Passive Power Generation (P.P.G))についてお話しします．
能動的発電とは？
能動的発電とは必要な電力に応じて能動的に発電容量が変えられる発電方法で代表的なものとして火力発電が挙げられます． 必要量に応じて発電できるので電力の安定供給には欠かせないのですが，通常可変的に化石燃料などを燃やすので環境負荷がかなり高い傾向があるという欠点があります．
受動的発電とは？
一方，風力発電やソーラー発電などは天候次第で発電能力を必要量に応じて調節することなどは原則不可能です． このような発電方法を受動的発電と呼びます．受動的発電は先にあげた例のように環境に優しい発電方法が多いのですが， 電力の安定供給という観点からすると困りものです．必要量に合わせて調整ができないからです．
両者の中間の発電方法もある
例えば水力発電は水門を調節するなどで発電量をある程度調整できますが，夏場などはダムの湖面が著しく下がるため発電能力は大幅に下がります． また原子力発電は一見すると能動的発電ですが，連鎖反応を危なげなく調節するためには制御棒の激しい抜き差しによる連鎖反応の急激な変動は 大変危険で火力発電ほど能動的ではありません．
自然エネルギーは受動的発電が多い
以上をまとめると自然エネルギーを利用した発電はエコですが，電力の安定供給には不向きで，能動的発電である火力発電所は電力の安定供給には向いているが環境負荷が高いといった特性があります．これは環境負荷を軽くしながら電力を安定的に供給することを難しくします． 解決策はないのでしょうか？
水素発電とエタノールなどのバイオマス発電は環境負荷が低い能動的発電である
そこで次のような考えが思い浮かびます． まず海の近くの臨海地域では昼間大量のソーラーで水素を作っておき，夜間や曇りの日にはそれを燃やして発電するというものです． カンカン照りに晴れた日には昼間の必要な電力よりオーバーした分は全て水の電気分解で水素を作ります．オーバーした電力は無駄になることなく 夜間や曇りの日に必要な分だけ燃やせますのできちんと能動的発電になっていることが分かります．
一方，海から遠く離れた地域では次のようにします．ソーラーで発電し，消石灰などを使ってアルカリ性にした液体にポンプで空気を送り込みます． 空気中の二酸化炭素は水に溶けると炭酸という酸になりますのでアルカリ性の石灰水に入れると中和反応で水溶液に吸着されます． 後はこれを水溶液中の二酸化炭素由来の有機物を丁度日本酒を作る酵母のような役割をする藻の一種によって発酵させアルコールであるエタノールに変えます． するとこのエタノールはいつでも燃やせて，燃やすと当然CO2は出ますが，このCO2は元々空気中から集めたものだったので燃やしてもカーボンニュートラルが実現でき，しかも能動的発電なので必要な時に必要なだけ発電することができるのです． こうしてソーラーと水素発電あるいはエタノール発電をすれば原理的には能動的発電を行うことができることになるわけです．
残された問題
問題は必要となるソーラーパネルの量です．これが半端なく大量に必要です． 考えてみましょう．もし，MAXの効率が出て，本当はあり得ないのですが，ソーラーの発電のエネルギーをそのまますべて水素発電のエネルギーにかえられたとしましょう．この場合ですら，ソーラーパネルが昼間の電力と夜間の電力の2倍が必要です．実際には曇りの日もありますのでさらにたくさん必要です．元々ソーラーの発電能力など大したことありませんのでこれは莫大な量のソーラーパネルが必要になってしまいます．これらを例えば台風などで飛ばないように固定しなければなりませんし，もし，必要なら近くの森林を伐採する必要さえ出てくるかもしれません．これでは本当にエコなのかどうかも怪しくなってきますね．
アフリカなどの乾燥地帯では確実に有望
とはいえアフリカなどの一部の乾燥地帯では大変有望です． 特に臨海地帯では水素発電で淡水が得られますので，石油を燃やして淡水を作る淡水化プラントよりずっとエコです． 現地の人たちは貧しくて電気が十分に使えないかもしれません． こういう時こそ国際協力でアフリカ支援で世界環境を救うという一石二鳥な技が欲しいのですが，難しいでしょうか． 大変残念です．
この案を商品化してもいいよという方がいらっしゃったらご連絡お待ちします. イワタニさん，ENEOSさん如何ですか？
ここまで読んでくださって有難うございます． 何か間違い等ございましたら，ご報告いただけると幸いです^^
