イスカリオテのユダはユダヤ人の代表的な名前をしているが、大変イエスの説く神の教えを深く理解しており、イエスより弟子たちの中で最も信頼されていた。 二人は仲のよい兄弟のようにお互いを深く愛し合っていた。
ある時イエスはユダに言った。
「ユダよ、私は父の所へ行かねばならなくなった。」
ユダ:「先生、それはいったいどういった意味でしょうか?」 ユダは何やら不吉なものを感じて不安そうに尋ねた。
イエス:「私の父の教えが世に広まるためには犠牲も必要だということだよ、友よ。」
ユダは不安がピークになって叫んだ。 「いけません、早まっては!」
イエス:「友よ、これからいうことをよく聞きなさい。私を皇帝の役人に銀貨にして数デナリオンで売り渡すのだ。」
ユダ:「分かりません、先生何のためです!」
イエス:「友よ、なんと分かりが悪いのだ。私が十字架にかけられるためなのだ。」
ユダ:「それは何のためですか!」 ユダは激しく泣きじゃくっていった。
イエス:「友よ、よく聞きなさい。私の父の教えが世に広まるには犠牲が必要だ。その犠牲が私が十字架にかけられることなのだ。」
ユダ:「死ぬ必要などないではないですか!先生は末永くこの世にいらっしゃるほうがずっと世のためになります。」 ユダは激しく抵抗した。
イエス:「なんと物分かりが悪いのだ、友よ。それでは私の父の教えが定着するはずもない。」
ユダは気づいていた。先生はこうこだわりだすと決してひかないと。 「主よ、確かに主なら死ぬのは怖くないかもしれません。しかし、・・・」
イエスはユダがしゃべり終わらないうちに割り込んだ。 「友よ、私が死ぬのが怖くないと本気で思っているのか?」
ユダ:「はい、先生なら全く怖くないことを存じております。」 ユダは確信に満ちてそう断言した。
イエスは悲しそうに首を振った。 「ああ、友よ、私の気持ちが一番わかっていると思ったあなたですら私の気持ちなど分からないのか!」
ユダ:「それでは?」 ユダは聞き返した。
イエス:「むろん怖いに決まっている!皇帝は恐らく恐ろしい拷問すらするだろう。」
ユダ:「だったら!」
イエス:「ユダ、本当の気持ちに素直に従いなさい。たとえ私が、死ぬのも拷問されるのも怖くて怖くて仕方がないとしてもそれでも必要なことだと心の底であなたは知っているはずだ。」 イエスはそう断じた。
ユダはわんわん泣いて叫んだ 「それじゃああんまりじゃないですか!先生は何も悪くないのに・・・」
イエスは青く澄んだ瞳で静かに言った。 「父の愛は深い。私が誰よりも父に愛されるためには必要なことだ。」
ユダは絶句した。
こののち、ユダは打ち合わせ通り、最後の晩餐に参加するとこらえきれなくなってイエスにキスをした。
そして皇帝の役人が来てイエスを捕らえ派手でけばけばしい服を着せてイエスに言った 役人「おい、ユダヤ人の王、お前が王なら何か奇跡を見せてみろ!」
イエスは「それはあなたたちが言っていることです。」と言った。 その後殺人強盗犯とどっちが特赦に値するかを群集に決めさせると群集は特赦はこっちの強盗犯だ!といった。
十字架に括り付けられたイエスは、最後に「乾いた」と言って絶命した。
その後ユダは気が狂ったように叫び後を追って自殺した。
以上が、ある世界線でのイエスとユダの話であった。 ユダは陰になった。
お仕舞。
以上は私の作り話です。 なので、実際の歴史とは似ても似つかない可能性があり、あんまり真に受けられても困ります。 本当のユダのことは聖書を心の目で読むことによってつかんでください。
ここまで読んでくださって有難うございます.