竜太のテクニカルメモ

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CO2を地下に閉じ込める案はうまくいくのか?

竜太です.どーも.

今回は温暖化を防ぐためCO2を地下に閉じ込める案がうまくいくのかについて話したいと思います.

シベリアの永久凍土のメタンが蒸発すると

突然ですが,平均気温が2度上がるとシベリアの永久凍土のメタンが蒸発してしまうことが分かってます. メタンはCO2の20倍程度の温暖化効果がありこれにより非可逆的に温暖化が進んでしまうことが予想されています. 地下に眠っていれば悪さをしないメタンガスが温暖化によって地上に出てしまうと大変なことになってしまうというわけです.

CO2を地下に貯めたらどうか

そこで逆に大気中のCO2を回収して地下に埋めてしまえば大気中のCO2が減り,温暖化効果が下がるのではないかという考えがあり, フランスの石油メジャーのトタルエナジーズ社などが実施しています.もしうまくいくのであれば素晴らしいことですね.

CO2は元素ではない

しかし,まったく無駄というわけではないでしょうが,大変難しい問題があります. それは「CO2は元素ではない」ということです. 元素ではないということはどういうことでしょうか?それは元素に分解して考えるとCO2が炭素(C)と酸素(O2)からできた分子でこれらの元素は地球上の大半の有機物や特に生物などがふんだんに持っているありふれた元素であるということです.これはどういうことを意味するのか?

二酸化炭素CO2とメタンCH4は勝手に増える!

そう,答えは二酸化炭素とメタンはいくら埋めても勝手に増えるということです. もともと自然界にありふれた元素ですのですぐに生成されてしまうということです. これは困ってしまいますね. しかも悪いことにCO2を地下に閉じ込めるのにもエネルギーやコストがかかってしまいます. まったく無駄な対策とは断言できないのですが,これは悪い情報です.

CO2は木材に固定できる

ところでCO2を閉じ込める別の案はないものでしょうか? 日本の青年化学者である村木風海さんは「ひやっしー」となずけた独特のCO2吸着装置を作りました. これは簡単に言うとCO2は炭酸ガスと呼ばれる水に溶かすと酸性を示す気体ですので,石灰水などのアルカリ溶液に通すと中和反応によって塩(※しおではない)を生成するため, 閉じ込めることができるという構造です.あとはこれをもしCO2を食べる藻の一種に食わせればちょうど日本酒の醸造過程のようにエタノールを作ることもできます. このエタノールバイオエタノールと同じですので,自動車やジェット機の燃料にできます.つまりCO2が燃料に化けたわけです.すごいですね. もちろん,この方法では燃やした時にまたCO2が出てしまいますが,CO2がまたCO2に戻っただけなのでトータルとしてのCO2の排出量はプラスマイナスゼロなわけです.

もっと自然なCO2の回収方法としては木材に固定するというのもあります.つまり木を育てるということです. ある程度大きくなった木は大量のCO2を内部に固定することができ,そのため家具などにしてしまうとそこにCO2を固定できるのです. ただし,当然注意しなくてはならないのは樹木の伐採が環境を著しく破壊する可能性が否めないという点です. きちんと植樹することと,本当に充分大きく育ってから計画的に伐採することが望ましいというわけですね.

植樹 vs 地下への埋設

結局,植樹でも地下への埋設でも新たなCO2が出てしまうわけですが,いったいどちらの方式がより優れているのでしょうか? 簡単に断言はできないですね.ただし当然植樹であれば環境改善に積極的に取り組むことができます.

さて,これまで考えてきたCO2の地下への埋設案ですが,結局どの程度有望なのか僕にははっきりとは答えが出せませんでした. ただし,十分大規模に行えば植樹のほうが環境改善により役立つだろうとは思ってます. いずれにしても十分な考察が必要でしょう.

ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^


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