「敬意を払え!」論法
しゃべってて批判されたとき,「失礼だぞ,敬意を払え!」と言われたとします. あなたなら謝りますか?
例えばこんな状況です.
「しかしあの人の言動にはペテンを感じるんだよね.すべてが嘘じゃないかって.」
「失礼だぞ,敬意を払え!」
「あ,ごめん,確かにちょっと言い過ぎた.」
優しい人に限ってついうっかり謝ってしまいますよね. でもそんなに悪かったのでしょうか? しかもまずいのはこの人はあの人がペテン師じゃないかっていう貴重な判断を指摘しているのにそれがうやむやになってしまっている点が問題です. 多少失礼でもペテン師であることを批判することはそんなにまずかったのでしょうか?
そんな時こうしてはいかがでしょうか?
「しかしあの人の言動にはペテンを感じるんだよね.すべてが嘘じゃないかって.」
「失礼だぞ,敬意を払え!」
「おまえこそ,俺がペテン師批判という貴重な指摘をしているんだから敬意を払えよ! それとも何か,こんな立派な批判をしている人には敬意を払えないっていうのか?」
そもそも,相手に敬意を払えなんて命令する人には敬意なんてありません. たんに敬意という言葉を使って相手をいじめているだけです. こういう言い方もできるかもしれません.
「敬意を払えっていうがその態度に敬意があるかよーく考えてごらん.またその理屈なら僕に対して敬意を払わなくていい理由を説明できるかい?」
これは個人的な意見になりますが,そもそも敬意なんて言うものは正直であるという美徳よりははるかに劣った美徳であるように思えます. そこでこう答えてもよいかもしれません.
「失礼だぞ,敬意を払え!」
「ごめん,おれは敬意を払えなんて相手に言う人は全然相手に敬意を払ってないから敬意を払わないことにしているんだ.」
一回でも間違えたらすべて間違い論法
「鳥は空を飛ぶだろ?」
「そりゃ飛ぶさ」
「ちょっとまって,ペンギンは飛ぶか?」
「飛ばないな」
「じゃあ,何で鳥はみんな空を飛ぶなんて嘘を言うんだ」
「いやあ,普通は飛ぶって思って」
「普通って言ったか?」
「いや」
「なんで嘘をつくんだ」
これはさすがにわかりやすいし,しかも相手はうっかり「みんな」なんて勝手な単語で修飾してしまってますが, ついうっかりミスをすることもあると思います.上の例ではミスともいえないミスですが, 基本的にペテン師は相手の言動の小さなミスを許しません.本質的なミスじゃなくてもです. 何故ならペテン師にとって大切なことは相手をやり込めることであり,そのためミスは本質的であろうが本質的でなかろうが関係ないのです. でもよく考えてみてください.本質的なミスは確かに問題ですが,だからと言って人は本質的なミスをする場合もあります. ですからその場合ですら,やり込められなければならないとまでは言えないのです. アインシュタインの量子力学に対する本質的な誤解などは重要であるとですらいえます. しかし,問題なのは本質的なミスでない場合です. この場合,たとえミスしても全く気にする必要はないとすらいえます. それにもかかわらず,ペテン師の手にかかるとそれがさも重要であるかのように見えてしまいます.
正直に認めたふりをすればよいという論法
「だけど君だってひどいじゃないか.おれは「みんな」なんて言ってないぞ」
「そうだな,それは俺が悪かった」
完全に負けた時だけ完全に謝る論法
これはペテン師でさえあまり使いたくない論法なのですが, 完全に論破されたときに謝らないと人間性も頭の良さもどっちも悪く見えてしまうので, その時だけ完全に謝ります.逆に言えば中途半端に負けただけでは謝らないのがペテン師で 完全に負けた時だけ謝るのもペテン師です.
旗色が悪くなると通話を切るか黙秘するテクニック
皆さん,とことんブラックな犯罪者に限って黙秘するって知ってますか? 例えばこんなのはどうでしょうか?
「その時現場にいたな」
「居ません」
「証拠はあるか?」
「現場にはたばこの吸い殻がありますが,俺はタバコを吸わない」
「どうして現場にたばこの吸い殻があるってわかるか?」
「あ!」
この犯罪者は実は本当にタバコを吸わないのですが,たまたま現場で見たたばこの吸い殻が脳裏に焼き付き, 現場にいた人間しか知りえないたばこの吸い殻のことをしゃべってしまいます. これでどんなに本人が否定してもアリバイがないことが明らかであり, アリバイがないのにアリバイがある振りした時点で完全にアウトです.
しかしこの犯罪者が仮にこうしたらどうなるでしょうか?
「その時現場にいたな」
「話せません」
「どうして話せないんだ?」
「黙秘します」
これをされると,かなりグレーなものの決定的な証拠は決してでなくなります.そのためアリバイの立証できる無実の被疑者は黙秘しないのに ブラックな犯罪者はかなりの確率で黙秘します.
基本的に「話せない」とか「黙秘します」を連発したら真っ黒といってよいでしょう.
「2分で考えた論法だな」論法
正しい論法であり,現在の文脈で重要な論法ならたとえ10秒で考えた論法であろうとも価値があるのに, これでは時間の短さだけで価値がないように思われてしまいます. 例えばこんな感じです.
「ペテン師ペテン師ってどこがペテン師ですか?証拠を出してください」
「それでは証拠を出すと・・・」
「まった,2分で考えた論法だな」
「そうだけど」
「そんなくだらない論法は聞きたくない」
「そりゃひでえ」
ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^