ども,竜太です.ども.
今回は金やオスミウムなどの貴重な元素を炭素原子から生成する装置についてご紹介します. 実質上,本当の錬金術の完成といえそうです.
炭素原子はなんでも含んでいる
皆さんもご存じのように原子は一般に電子,陽子,中性子からできています. そこで科学の知識があまりなくとも次のように考えられると思います:
もし,電子,陽子,中性子を自由な位置に自由な個数配置出来たら,原子ならなんでも作れるのではないか? これが実際にできて,それを実行する機械が元素生成機です.
ポイントは陽子や中性子を生成するのは困難なので他からもらってくるということです. その候補として優れていると考えられるのが,炭素です. もちろん炭素は電子,陽子,中性子を全部含んでいて構造的に一番簡単に陽子や中性子が取り出せるからです.
レーザー冷却の原理を用いると
実はレーザー冷却という技術はレーザーを当てた分子の振動を小さくすることができるので,それによって対象の物体が冷やされるのですが, この技術を応用すると,決まった位置と運動量に電子陽子中性子を炭素原子からはぎ取って配置することができます. このため炭素原子とレーザーによって任意の原子が作れるのです.すごいですね.
どれだけ役に立つか?
例えば地球上ではたくさん取れないヘリウムなら簡単に作れます. ただし,ヘリウムは宇宙では水素に次いで2番目に多く存在する元素ですので,あまり面白みがありません. そこで代表的な応用として金の生成が考えられます. 金は貴重な金属元素なうえに,本当の錬金術は今まで一度も成功したことがないので,この金の生成は重要です. しかし,もっと重要なのは恐らくオスミウムの生成でしょう. オスミウムはレニウムと並んで最も希少な元素であり,しかも天然元素では最も密度も高い金属です. 北海道でわずかに産するのですが,このため,採掘は困難を極め莫大なコストがかかります. しかし,元素生成機ならはるかに安いコストでオスミウムを生成できそうです. オスミウム生成機としても十分実用的でしょう.
欠点はないか?
欠点は莫大なエネルギーを要する2ペタワットクラスのレーザー装置などが必要になる可能性があることです. また,効率も恐ろしく悪い可能性があり,大量の炭素と大量の電力を必要とするでしょう. 技術革新が望まれます.
ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^