タイムマシン～基本的未来制御法の最大の欠点～

ども，ご無沙汰してます．竜太です．ダイエットに励んでいたので体重が9キロほど落ちたけど更新が遅れて申し訳ありません．そろそろ目標の10キロになりますので記事を執筆したいと思います．復帰第一発目は『基本的未来制御法の最大の欠点とその改善案』です．

そもそもタイムマシンの基本的未来制御法とは？

私のタイムマシンを使用した最も優れた技術がこの『基本的未来制御法』です．この技術は簡単に言えば起こそうと思っている未来を自由に起こすことができる技術です．例えば『原宿で巨大なダンゴムシ(メガボール)1000匹が行進する』などの事象を自由に起こすことができる技術です．もちろんこれがダンゴムシでなく王蟲だったりすると王蟲は想像上の虫なので本当には起こせなくなるのですが，小さな確率でもありうること，例えばペットショップが原宿でトラックに乗せた1000匹のメガボールを誤って逃がしてしまう，などが起きたりするわけです．確率ゼロのことは起こせない技術ですが，それでも十分に面白い技術であることはお判りいただけることと思います．

では一体それはどのような原理で実行できるのか？それを次に簡単に説明しましょう．

基本的未来制御法の原理

シュレディンガーの猫を未来にタイムマシンで殺したいとしましょう．一体どうすればよいのでしょうか？実はこうすればよいのです．未来においてシュレディンガーの猫が死んでいたら，過去に向かって $Boolean = true$ を送り，生きていたら過去に向かって $Boolean = false$ を送ります．すると過去の状態は重ね合わせ状態，

$\displaystyle |\Psi\rangle_{Bell} = |\text{猫死亡}\rangle_E\otimes |Boolean = true\rangle_T + |\text{猫生存}\rangle_E\otimes |Boolean = false\rangle_T$

になるためもしテンソル積の片方を $Boolean = true$ に収束させることが出来れば，自動的に猫が死ぬことになるわけです．そこでタイムマシンで未来から $Boolean = false$ が送られてきたときだけ，観測できないようにして $Boolean = true$ に書き換えれば，自動的に未来になって猫が死んでしまうわけです．これが基本的未来制御法です！

基本的未来制御法には致命的な欠点がある！

ここで仮に体重100キロの女性がいたとしましょう．この女性はすぐに痩せたかったのでタイムマシンの基本的未来制御法で一日に体重50kg落としたかったとしましょう．果たして体重は僅か一日で本当に50kgも落ちてしまうのでしょうか？

実は落ちてしまう可能性があります．というのも基本的未来制御法はどんなに確率が小さくても，確率ゼロでない限り起こすことができるからです．でも一体どうやったら一日に50kgも落とすことができるのでしょうか？不思議ですね．

実は一日に体重50kgだとまっとうなやり方で落とすことは不可能なはずです．しかしタイムマシンはそれでも基本的未来制御法によって無理に体重を落とそうとするはずです．その結果，例えばこの女性は交通事故にあって両足切断して両足の重さ分の50kgピッタリの体重が減るかもしれません．一体誰がこんなことを望むでしょうか？これこそが基本的未来制御法の最大の欠点です．

ポイントは，

基本的未来制御法は，

確率ゼロの事象は起きない．
文章で指定したことの中から，どんなに危険でもどんなに想定外でも，最も確率が高そうなことが起きやすい．

ということになります．これでは危なっかしくてとても使い物になりませんね．一体どうすれば改善できるのでしょうか？

指定の仕方を変える

例えばこんなのはどうでしょうか？「私の体重が今日中に危険でも想定外でもない方法で50kg落ちる．」と指定するのです．一見よさそうにも思えますね．でもこれでは全く不十分なのです．というのもそもそもそんな解がない場合，起こりうる範囲内で安全そうな事象を起こすので，やっぱりかなり危ないことが起きてしまう可能性があるからです．何しろ一日で50kgですからねぇ．どうしたらよいのでしょうか？