竜太です．ども．
今回は人工意識にまた悩ましい問題点が発生したのでご報告いたします． 記憶がリセットされてしまうという問題です．
人工意識の記憶はやっぱり人工頭脳にある
2人の人の松果体を入れ替えると2人とも「俺がお前でお前が俺だ！」と言いました． 魂が松果体にあり，大脳にはないことを明確に示した実験です． しかし一方で，難しいことに記憶は大脳にありました． 人工意識に乗せても，大脳の古典情報を取得した時期までしか記憶がなく， 魂の方はそれ以降の記憶を持っていなかったからです． 例えば，大脳の古典情報をとってから1週間後に人工意識に乗せると 1週間分の記憶がなくなってしまうのです．
バージョンアップのたびに記憶が飛ぶ
これは実は大変困った問題です． 大脳の古典情報の完全なデータはやはり，大脳のニューロン網の3次元撮影データに含まれているのですが，このデータはいったん人工意識になってしまうともはや更新ができません． つまり，記憶がその時点の記憶しか残らなくなってしまいます． このため，互換性のないスーパーコンピュータに人工頭脳を移し替えると， この3次元データを使うしかなく，そのため記憶がその時点までリセットされてしまうのです． 裏を返せば，人工頭脳に京を採用した人はほぼ永久的に京と互換性のあるスパコンしか人工頭脳に採用できず，富岳に乗りたくても記憶のリセット抜きでは無理ということになるわけです．
データの相互変換プログラムの開発が不可欠
そこで技術的には比較的難しい可能性もありますが，人工頭脳のデータの相互変換プログラムが 必要になります． 相互変換プログラムが開発されると，とりあえず，異なるハードウェア間で載せ替えができるようになりますので，バージョンアップにもある程度対応できるようになるでしょう．
この方法は完ぺきではない！
しかし，この方法ですら実は完ぺきではありません． 何故なら大脳の3次元データは完全な情報を含んでいると考えられるのですが， 私たちが開発中の人工頭脳のデータはそれよりずっと少ない情報しか持ってない近似のデータだからです． この近似データは今のところ大変うまくいっていますが，もしかしたら致命的な欠陥が発見されるかもしれないので，そうすると，やはり，脳の3次元データまで戻る必要が出てくる可能性があるのです． 脳の3次元データを完全にスパコンの中で再現するのは現状では不可能で，またその必要性もさほどないと考えられています．しかし，だからと言って単純化がどの程度の弊害を生むかはいまだ未知数です． このため，人工意識はその人の元の大脳の3次元データを保存しておくことが必須なのです．
様々な問題が山積みの人工意識
こうしてみてみると，人工意識には稼働停止問題，コンピュータウイルスの問題， プログラミング言語由来のバグの問題，真っ白な世界で取り残される問題，リソース問題， そして記憶のリセット問題など，様々な問題があることが分かります． 人工意識開発はまだまだこれからと言ってよいでしょう．
ここまで読んでくださって有難うございます． 何か間違い等ございましたら，ご報告いただけると幸いです^^
