ども,竜太です.
今回はコンパクトな記事ですが,実は超弦理論から分かっている私たちの宇宙の時空の 次元の10次元がアインシュタイン方程式からも予想されるという記事について書きます.
アインシュタイン方程式と4次元時空
時空は素朴に考えて空間3次元に時間1次元で合計して4次元の空間になります. これを一般に4次元時空と呼びます. アインシュタイン方程式はこの一般には重力や物質の分布で曲がっている4次元時空多様体の解を 導くために用いられます. 念のため,式を書いてみましょう.
ここで添え字のとは今考えている時空次元が4なので,0から3を走ります. アインシュタイン方程式は私たちの世界を記述する方程式なので,これはごく自然に見えます.
超弦理論では時空次元はぴったり10次元
ところが究極理論の最有力候補と広く認知されている超弦理論では 時空次元はぴったり10次元しかないと教えてくれます. これは何故かというと超弦理論は全ての物体が超弦と呼ばれる1次元方向に広がった弦だと 仮定しているのですが,この弦が相対論と量子力学が共存して存在できる次元が ボゾンの弦とフェルミオンの弦両方の場合,ぴったり10次元しか数学的に有りえないからです. (これを臨界次元と呼びます.) 一体,時空次元は4なのでしょうか,それとも10なのでしょうか?
アインシュタイン方程式も10次元時空を予想する
アインシュタイン方程式に現れるメトリックテンソルも リッチテンソルもエネルギー運動量テンソル も実はすべて対称テンソルです. この4次元の対称テンソルは見かけ上の16個の成分がありますが, 対称性より実は10個の成分しかありません. 実際,対角成分を除くと右上半分に6個の成分,左下半分に6個の成分の計12個の成分がありますが, 対称性より,実際には半分の6自由度しかありません. これに対角成分の4自由度を加えると実はぴったり10自由度あることが分かります. これはもし一つの添え字で全ての独立成分を表すなら,添え字が一つで0から9動くことを 意味し,実はこれは真の姿のアインシュタイン方程式が一つを添え字とする 10次元時空多様体を解に持つ方程式であることを意味します. そうです,アインシュタイン方程式はごく自然に10次元時空を必要としていたのです.
真のアインシュタイン方程式はどんな形か?
残念ながら僕にも分かりません. この真のアインシュタイン方程式の形は高次元の幾何学的イメージが持てる方には 直感的に容易に導けるはずですが,残念ながら僕には高次元の直感的イメージが湧かないようなのです. また,通常のアインシュタイン方程式は断面が4次元になり,切る向きが4次元なので 真のアインシュタイン方程式にナイフを入れたものだったのです. このため,4次元の添え字が二つあるのです. それでは何故4次元のナイフで切ったものが6次元の断面を形成しないのでしょうか?
立方体にナイフを入れてみる
例えば通常の平らな3次元空間の立方体に真っすぐナイフを入れてみましょう. 断面は2次元だし,切らない向きは1次元なのできちんと3次元の物体を切ったのだと分かります. ところが断面を見てください. 切った向きとそれに垂直な向きの2通りが存在しそれぞれ1次元です. 当然ですが,3次元になりません. この意味は立方体を切ると断面は1次元下がり,しかも対称テンソルが現れるということです. これはトイモデルですが,10次元時空多様体も4次元ナイフで切ると同じように次元が2つ減り, しかもうまく選べば対称テンソルになるということです. 分かっていただけたでしょうか?
真のアインシュタイン方程式を探す旅に出よう!
こうして私たちは本当のアインシュタイン方程式が添え字1個の10次元を走る多様体であることが分かってきました.私たちは真のアインシュタイン方程式を見つけねばならないのです!
ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^