竜太のテクニカルメモ

物理やへっぽこなゲーム作りについて易しく解説するよ

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時間的閉曲線(CTC)を利用したタイムマシンは永遠にできない?

時間的閉曲線(CTC)とは?

時空内で閉じた輪のような時間的な世界線ができると,出発時の時空内の一点に戻ってこれるため原理的にはタイムマシンになっています. このような(時間的な)世界線を時間的閉曲線(Closed Timelike Curve略してCTC)と呼びます.

CTCを利用したタイムマシンの案

多くのタイムマシンの案はこの時間的閉曲線に頼っています. 例えばロナルド・マレット博士のタイムマシンは回転する宇宙のゲーデル宇宙や回転するブラックホールのカーブラックホールのように 回転する電磁場,実際にはらせん状のレーザー回路を持っていますが,このCTCを利用して未来の時空から現在の時空へ時空をゆがめて ループを作るということを目指しています.我々の宇宙はゲーデルの宇宙ではありませんが,このような回転は時間の逆行を許すのです.

果たしてマレット博士のタイムマシンは将来CTCができて未来からの情報を受信する日は来るのでしょうか?

宇宙特異点定理はCTCを排除する

宇宙論で有名なホーキング博士の仕事の一つに宇宙特異点定理があります. これは一般相対論の枠組みからなら宇宙は特異点から始まったとしか考えられないことを示唆するのですが, 観測事実とよく合い,ほぼ正しい議論ができているものと考えられます.

しかし,実は宇宙特異点定理によれば我々の宇宙にはCTCが全時空でないという仮定が成り立つべきなのです. というよりも宇宙特異点定理の証明にはCTCが時空内にないことを仮定しています. つまりこれが事実だと,CTCを使ったタイムマシンの案は全部不可能ということになります.

それではタイムマシンはすべて否定されてしまうのでしょうか? CTCを使わないタイプのタイムマシンなら我々の宇宙でも可能な可能性があります.

実は僕の考えたタイムマシンはこのCTCを使ってないのです.

僕のタイムマシンの案にはCTCがいらない

話の要点だけ取り出すため,僕のタイムマシンの肝である瞬間情報転送装置に的を絞って御説明します. 瞬間情報転送装置は2点間を世界線で結ぶのではなく2点間を瞬間的に経路となる曲線を取らずに結びつけます. したがってこの時点でそもそも世界線が全くないことになります. 世界線がないのですからもちろんCTCもなくて良いことになります.

こうしてもつれを用いた瞬間情報転送装置を利用した僕のタイムマシンなら原理的に作ることができる可能性があるわけです.

楽しんで頂けたら幸いです^^