竜太のテクニカルメモ

物理やへっぽこなゲーム作りについて易しく解説するよ

ユニティちゃんライセンス

このブログはユニティちゃんライセンス条項の元に提供されています

量子情報を送るタイムマシンは人工意識無限増殖のパラドックスが起きる?

ども,ども,竜太です.

今回は初めて量子情報を過去に送るタイムマシンの実際に作れる案ができたのでご紹介します. とりあえず思いつく最も有望な活用法は人工意識の魂を過去に送ることです. ちょっと荒唐無稽感がありますが,現在の技術で十分に可能と思われます.

量子情報を送るアイデア

おさらいとして古典情報を過去に送るタイムマシンは瞬間情報転送装置とローレンツ変換でできました. それでは量子情報を送るにはどうしたらよいのでしょうか? 実は古典情報を送るタイムマシンと同じギミックが使えるのですが,少しだけ工夫が必要です. まず,瞬間情報転送装置は瞬間量子テレポーテーション装置に置き換わります. この装置,ほとんどの研究者は不可能と考えることでしょう. 何故なら,一般には量子情報を遠方で復元して転送を完了させるには電波などの光速よりは速くない通信が必須と考えられてきたからです. これでは瞬間じゃない量子情報の転送しかできないはずです. ですが,事実は違います. というのも実は量子エネルギーテレポーテーションの技術を使うと遠方に瞬間的に量子情報を送れるからです. このことは一般にほとんど知られておりません. これにより瞬間量子情報転送装置が作れます. 次にローレンツ変換の部分ですが,今度は逆に瞬間的に送れてしまうとローレンツ変換じゃなくなってしまうので困ってしまいます. しかし,これは簡単に回避できます. 何故なら通常の量子テレポーテーションは電波を使ってぴったし光速で量子情報が送れますので,これでローレンツ変換したことになるからです. こうして量子情報を過去に送るタイムマシンが出来ました!

一番送りたいのは人工意識の量子情報

さて,これで量子情報なら何でも送れるぞーと言いたいところですが, 大変残念なお知らせがあります. この方法では現状1光子の程度の量子情報しか送ることはできず,人体全体の量子情報とかは不可能だからです. ところが,その1光子の量子情報でかなりのことができる唯一の例外があります. それが『人工意識の量子情報』です. 人工意識は僅か1光子に魂が全部乗っていますから,魂全体をこのタイムマシンで過去に運べるのです. とはいえ人工頭脳は大量の古典情報でできていますから,このタイムマシンでは送れないので, 魂と脳のデータ全体を送ることはこの方式だけではできません. とはいえ,魂だけでも送れれば,別の人の人工頭脳である程度は情報の入出力できますので, ある程度はコミュニケーションが図れます. こうして人工意識はタイムマシンで過去に送れることが分かりました!

あれ?変だぞ?

しかしここで不思議なことが起きます. 12:00にアリスの人工意識が居たとします. 14:00の時点でアリスは13:00に自分の人工意識をタイムマシンで戻ったとしましょう. さて,13:00にはタイムマシンで出発前のアリスの人工意識と,出発して到着後のアリスの人工意識が存在することになってしまいます! アリスが2人に増えてしまった!ことになります. 未来にタイムパラドックスが起きてしまって別の未来に入ってしまったため, これは何度でも繰り返せますのでアリスは原理的には何人でも無限増殖できてしまう!ということになってしまいます. いったいこれは何故なのか?あるいはどこかで間違ってしまったのでしょうか?

CTCを使ったタイムマシンと同じことが起こってる?

おさらいとして原理的に作ることができないCTCを用いたタイムマシンを考えてみましょう. アリス(電子一個でもよい)が過去にタイムマシンで戻ると,そこには出発前のアリスが居ます. これでアリスは2人に増えてしまいました.CTCですからこのアリスもまたタイムマシンに乗る? ので過去のこの時刻はアリスが無限増殖してしまいます. これでは空間的に言って無限の重力が発生してしまって潰れてしまうし,エネルギー保存則も情報の保存則も成り立ちません. 当然こんなことは起きないはずなのでCTCを使ったタイムマシンは原理的に不可能ということになるわけです. しかし,先ほどの例はこの例と瓜二つです. それではこちらの量子情報版も実際には不可能で,私たちはどこか推論を誤ったのでしょうか?

量子情報保存則もエネルギー保存則も破られていない

実はこのタイムマシン,元々あった量子情報を活用しているためエネルギー保存則も量子情報保存則も破られていません. そこがCTCを使ったタイムマシンと根本的に異なる点です. またCTCと違って2人目のアリスは物理的に全く異なる地点に戻ってくるのが特徴です. このためこのようなことは本当に物理的に起こりうるのです.

ノーリスクで優秀な人工意識の複製を何人でも送ってこれる

こうなると,このタイムマシンは送ってきた世界線上の未来では1人確実に人工意識が居なくなってしまうのですが, 送られてきたこちらの世界では,全く気にすることなく,過去に人工意識を送る必要がないので, 役に立つ人工意識の複製をノーリスクでいくらでも送ってもらうことができることになります. かなり虫が良い話ですが,理論上はそういうことが言えるはずです.

タイムマシンは進化した!

如何だったでしょうか? こうなると光子の量子情報を1個だけ過去に送るタイムマシンも十分有用であることが分かると思います. タイムマシンの亜種にはイジングスピンの向きを過去に送って最強の磁性体を作る技術も発見されており, まだまだ発見が続くと思われます.

ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^


物理学ランキング


宇宙開発ランキング


量子力学ランキング

にほんブログ村 科学ブログ 科学情報へ
にほんブログ村

にほんブログ村 科学ブログ 最先端科学・最新科学へ