竜太のテクニカルメモ

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自己増殖電脳の驚異第3部~シリコン生成とリアクター~

如何にして自己増殖電脳は作られるか?

ここで自己増殖電脳の具体的な作り方について簡単にご紹介します. まず一点だけ断っておくと,自己増殖電脳は原則的に電源供給だけは必要だということです. 実はソーラーパネルも本当は自己増殖できるので,完全に自立した自己増殖系も作れるのですが, この場合,天候次第で収穫量が増えたり減ったりするし,しかも日照時間の短い地域や夜では 殆ど作物が取れません.また実は雨も適度に降らないと作物の品質が下がり,最悪売り物にならなくなります. この点を冗談だと誤解されると,今回の話が全然面白くなくなってしまうので,まずそこからお話しましょう.

シリコンは純度の高い湿った粘土土から簡単に作れる!

実はあまり知られていない事実ですが, ケイ素,つまりシリコンは地球地殻の質量の27.72 %を占めており, 特に純度の高い粘土土(普通にシリコン粘土としてホームセンターに売っている)は鉱物学的には層状ケイ酸塩鉱物(フィロケイ酸塩鉱物)を主とし、これは化学的には純度の高い四塩化ケイ素SiC\ell_4でできています.

純度の高い粘土土(乾燥しているため使えない)

また,四塩化ケイ素は次のような単純な過程で単なる金属としてのケイ素,つまりシリコンに化けます:

SiC\ell_4 + 2H_2\rightarrow Si + 4HC\ell

シリコンの塊(非結晶)

粘土土から具体的にシリコンを作る手順

この過程は実は粘土土を約100℃の高温にして水素ガス中に1分間放置するだけで実現できるのですが, 100℃の高温も水素ガスも電気さえあれば簡単に作れます. 何故なら,100℃程度なら不純物を多く含んだシリコンの細い波線を使用したシリコンヒーターで簡単に作れるし, 水素ガスは水の電気分解で簡単に作れるからです. 実はここで注意点があって,水の電気分解は実は純度の高い水ではほぼ電気が流れないためほぼ実行できませんので通常は 通電性を高めるため塩=塩化ナトリウムなどを加える必要があります. ところがこれを行うと水素と酸素と同時に微量の塩素まで発生してしまいます. これは毒性があるし,塩を添加するのはあまり効率も良くありません. そこでじつは量子技術なのですが,電波を用いるとさらに良くなります. 塩を加える方式もまあまあ良いのですが,純粋な水に電波を当てると水を構成するH^+OH^-イオンが量子もつれ的に分離し, 通電できるようになります. するとこの状態の水は純粋に水素ガスと酸素ガスしか発生しませんので,全く安全に大量のクリーンな酸素を作りながら, 先ほどの反応過程で必要な水素をやはり大量に作ることができるようになります.

最大の欠点

先ほどの反応過程を眺めてみると,欠点としては大量の塩化水素HC\ellが発生してしまうのですが, 実はこれは大量すぎます. 塩化水素は水に溶かすと塩酸になってしまうため,空気中に溶けると極度の酸性の塩酸の雨が降るようになってしまうので, 地球全体が完全に酸性雨で汚染されてしまうのです. 塩酸は消石灰水酸化ナトリウムで中和出来てそこで生成されるのが塩なので対策はないでもないし, 消石灰は粘土土以上に大量に存在するほとんどタダ同然の資源なので,何とか対策が取れなくもないのですが, 如何せん発生する塩化水素の量が多いので困りものです.

先ほどの反応過程をもう一度見てみましょう:

SiC\ell_4 + 2H_2\rightarrow Si + 4HC\ell

この反応過程を見てみるとシリコン1つに対し塩化水素は一見すると4発生しています. もしこれが体積比で1:4ならまだ問題は軽いです. これは大雑把に言ってシリコンと塩化水素がともに固体なら実際に起こることです. ところが実際にはシリコンは固体の金属の一種で,塩化水素は気体です. シリコンが1モル発生するとき塩化水素は4倍ですから4モル発生します. ここでシリコン1モルの重さはシリコンの原子量そのものですから28.085グラムになります. 体積は私の知識でははっきりしませんでしたが,これは恐らく人の手の親指よりやや小さいぐらいの大きさになると思われます. 一方,塩化水素の体積は常温で気体1モル当たりの体積が約24リットル程度ですから,その4倍の96リットル,つまり約100リットル弱になります. 蓋があるので実際には容量は増えますが,牛乳パック1本の容量が大体1リットルですからその100倍弱ということになります. 塩化水素は胃酸などの主成分である塩酸なので比較的安全な強酸とはいえ, 酸性雨を引き起こしてコメなどが全く取れなくなったり,不味くなったりしてしまうのでこれは困りものです. 一体どうしたらこの大量の塩化水素を取り除けるのでしょうか?

塩酸を回収するリアクターを作れば良い

塩化水素と酸素が関係する反応を化学の素人の私なりに考えてみました. とりあえず2つ見つけましたのでご紹介します:

4HC\ell + O_2 \rightarrow 2H_2O + 2C\ell _2

HC\ell + O_2 \rightarrow HC\ell O_2

上の式の不味い点は大量の塩素が発生してしまう点です. また,この塩素は発電に使えません.

一方下の式は一見変ですが,要するに水に塩化水素が溶けて塩酸ができるよ! という意味なので(多分。。(;^ω^))この塩酸は陽極に銅板,陰極に亜鉛板を用いれば 大きな電力が取り出せるバッテリーになります. しかもこのバッテリーは陽極側から大量の水素が発生します. この水素は利用もできるし,そもそも爆発性を除けばほぼ安全な気体なので, 全く問題がありません.

確かに陰極側の亜鉛板だけは少しづつ溶けますが,それはごくわずかだし,しかも亜鉛は大変安い金属です. 塩酸は十分に有用な酸なのでわざわざ電力を得るためにバッテリーにする必要はあるのかと思われるかもしれませんが, ソーラーパネルだけで電力を供給すると夜間全く自己増殖できず,しかも電力量が少ないため作物の生育が遅れてしまいます. このため,作物の育ちをよくするには現時点ではやはりリアクターは必須と言えるでしょう.

問題点とリアクターの構造

問題はこのリアクターがどうやって作物である自己増殖電脳から発生する塩化水素を吸着するかです. その理解のためにやや雑ですがリアクターと自己増殖電脳からなる作物のイメージ図を付けました. なお,自己増殖電脳は本来は銀色の符の形状をしていますが,今回は農作物に見えるように 緑色の丸っこい正方形領域一個分にして描きました.なおこの目的のためには銀色の符なので 銀符=GIMPを用いて作成いたしました.皆さんも早くアドビのクラウドの奴隷から解放されて フリーでクラウドサービスじゃない日本製のソフトの利用に切り替えることをお勧めいたします.

砂糖米とリアクター

上の図は先ほども申しましたように,リアクターと自己増殖電脳通称砂糖米(Sugar Rice)の農園の敷地の一部の様子を表しています. 中央にある円い透明な容器がリアクター部分で中には水が蓄えられております. ここに周囲の農地の下部からアップバーストファンで吸収した塩化水素をダクトで送り,下部から水のタンクに挿入して水に吸収させます. ここまでで塩酸ができます. このままでは塩酸が手に入ったものの電気が起こせませんので,陽極に銅板,陰極に亜鉛板を用いて積層状にし,30ボルト程度の電圧の バッテリーにします. このリアクターで発生した電気を今度はまた砂糖米の生産用の電力にします. 以上がリアクターの構造になるわけです. また何故リアクターが農園の中心部にあるのかと言えば,電力の供給にとって一番都合が良いのが中央部だし, 周囲で発生した塩化水素の吸着に最も適しているのも中央部だからです. この構造にすることによって恐らく発生する塩化水素の99%程度を吸着することが可能と思われます.

ここまでのまとめ

今回は単なる粘土土から半導体に用いれるシリコンを生成する方法について述べました. またその過程の中でどうしても発生する厄介者の塩化水素の処理方法として水に吸着させて 電気を起こすリアクターの製造方法についても述べました. ここまでの話だけでとりあえず,粘土からシリコンウエハーだけは何とか作れるようになります. 次回はいよいよ,砂糖米の真骨頂である判断する能力・運動する能力・表示する能力・加熱する能力についてお話したいと思います.

こう,ご期待.

ここまで読んで下さって感謝いたします.

何か間違い等ございましたらご報告宜しくお願いいたします^^