ども,ども,竜太です.
今回は物語づくりは本当にたった一人の作業で十分か?という命題に挑戦します. 結論から言うと,大きくて素晴らしい作品を作るには, 例え小説の場合でも,場合によったら分業作業が必要であるということになります.
作家の仕事は大変だ
漫画を描くのがいかに大変かは容易く想像できると思いますので, 比較的簡単に見える例えばラノベの場合を例に挙げましょう.
ラノベ作家の仕事は物語づくりだけでしょうか? もちろん,最も大事なのは物語かもしれませんね. しかし実際にはラノベ作家は例えば近未来SFなどの場合, 科学考証やかっこいいSF上の名称,キャラクターたちの魅力ある名前, おしゃれな舞台設定,さらには場合によったら萌え要素を入れるといったことすら必要になります. さらに会話文はどうでしょうか? 例を挙げましょう. 男性ラノベ作家が仮に萌え要素の入ったシチュエーションを取り入れたくて, 女性キャラに,
「はにゃーん,そんなこと全然わかんないよー」
などとしゃべらせたとしましょう. 恐らく,ほとんどの女性読者はげんなりし,気持ち悪がって本を閉じるでしょうし, 男性読者も,一部の鈍感な読者を除いて
「わ,古っ」
などと思ってしまうことでしょう. この例は極端な例ですが,男性作家は萌え要素を入れようと必死になる傾向があるけど, 一方で女性のおしゃれで気の利いた会話などをよく知らない場合が多いため, 実に作った感じの不自然な女性像が出来上がってしまう場合が多いのです. 別の例としては老作家の失敗で,若者文化のインスタやTikTokを良く知らないため, 最先端の流行を描いているつもりで,大変古くてダサい感覚の作品を書いてしまうといった例もあります. この例の場合,インスタやTikTokという小道具が重要であることになるわけです. このように,もちろん作家は物語づくりが最も重要でしょうが, それだけでなく様々な能力が要求されることが分かります.
作家を作業別に分類してはどうか?
一人の作家で全部の作業をこなすのが,困難であることは分かりました. そこでいっそ,漫画を描くのと同じように作業別に分業する案が考えられます. まず話を作る部分が重要なことは明らかなので,これは物語を紡ぐという意味で創話作家ということにしましょう. 次に,会話文を作る係も必要なので,これは会話作家とでも呼びましょうか. さらに舞台に登場するおしゃれな小道具なども必要なので小道具作家も必要でしょう. 小道具が必要なら,SFで登場する大道具も少しは必要かもしれませんので,一応少しだけ大道具作家も必要かもしれません. そうそう,最後にラノベには萌え要素はほぼ必須ですから萌え作家もぜひ入れたいものです. まだまだ考えられますが,大体以上の作家たちが分業作業で作品作りにあたると,見違えるほど良い作品が出来上がることでしょう. 以上の分類を図にすると次の通りです: これを見ると,なぜ今まで担当箇所別に作業を分類していなかったのかとあきれるばかりです. これからはこの方式を採用することが可能な作家さんは,是非とも試してみてください.
やっぱり創話作家が最も重要か?
作業の分担別に料理に例えるとこんな感じになります. まずおいしい食材を仕入れるのは創話作家の仕事になります. 一方細かい味付けスパイスは萌え作家や会話作家,小道具作家の役割になります. アメリカのSF作家たちはよく,おしゃれなシチュエーションを描こうとしてすぐにビールで乾杯を書きたがるのですが, ビールが悪いとは言えないものの,ビールってそんなにおしゃれでしょうか? 同様なことはワインについても言えて今どきはワイン程度の単語では逆にダサいぐらいです. とはいえ,物語の面白さを決定づけるのは間違いなく創話作家の能力が最も重要です. 作家の中にリーダーは設けるべきでそれは間違いなく創話作家でしょう. 実は手前味噌ではありますが,私は創話作家の才能だけあって,萌え作家の才能も会話作家の才能も小道具作家の才能も全くありません. そのため大変残念ではあるのですが,私一人では小説が書けないのが実情です. 大変残念です.
まとめ
以上により,ラノベのような作品作りにはほとんどの場合,創話作家・会話作家・小道具作家・萌え作家が必要であることが分かりました. これで個人で作品作りをすることはますます難しくなりますが,作品のクオリティーは間違いなく向上することでしょう.
このアイデアを採用したいという方を募集いたします. シュタゲの原作者の志倉千代丸さん,如何でしょうか?
ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^