ども,久しぶりです.竜太です. 長らく精神科に入院しておりましたのでブログ更新ができませんでしたが, ようやく退院できましたので書きたいと思います. 今回はニュートリノロケットについてです^^
ニュートリノロケット?
レトロゲームマニアならご存じかも知れませんが,東亜プラン開発の縦スクロールシューティングゲームに『TATSUJIN』というゲームがあります. これは究極タイガーと並んで東亜プランの代表的なゲームとして知られているのですが,自機が採用する推進方式がニュートリノを噴射して進むロケットエンジンのようなものということになっているようでした.当時このゲームの移植板をメガドライブでプレイした自分はアーケード版よりは見劣りするもののよくぞここまで忠実に再現してくれたと感激したのを覚えています.そりゃあ,多少物理学をかじった今なら,地球すらほぼ(完全にではない,念のため)素通りするニュートリノで真っ白に輝くとかは吾輩のちっぽけな二つの網膜が受け止められるはずがなかろうなどと,難癖でもつけたくなる訳でありますが,何はともあれあの当時のSFとしてはまあかなり良くできた設定であったことは確かなようです.しかしニュートリノで推進かぁ,水素のイオン(つまり陽子)でも光子でもロケットエンジンはどんな物体や元素でも素粒子でも後方に噴射すれば大抵は強いかどうかを別とすれば推進力を得ることはできるわけなので,ニュートリノを使ったロケットエンジンを僕も一応考えてみることにしました.
まてよ?ニュートリノロケットにはいい点が沢山あるぞ!
実際の僕の発見の流れはあまりまとまりがあって見通しが良いものでもありませんでしたので, ここではニュートリノロケットを考えたときに良い点悪い点がどれだけあるかまず考えてみることにしましょう.
悪い点
- そもそも推進力が得られるほど大量のニュートリノを発生させる方法が現時点で存在しない.
- 光子なら鏡などで噴射方向を変えることすらできるが,ニュートリノはなんでも素通りしてしまうため, 噴射方向を変えるのが困難.
- 普通に考えるならニュートリノは軽すぎてそもそも大きな推進力を得るには不向きで,例えば 地上から飛び立てるロケットをニュートリノロケットで作るのは永久に困難に思える件.
詳しい説明
1.についてはニュートリノを作る方式は現時点では原水爆や太陽のような大きな核反応か, CERNにあるような粒子加速器を使う方法しかほぼありません.このどちらも推進力が得られるほど 多量のニュートリノを作り出すことができないのです.ええ,太陽ですらですorz...南無ー
2.これは厳密に言えば違います. より厳密には発生装置自体を傾ければニュートリノの飛び出す方向を当然コントロールできます. 但しそもそもニュートリノを加速器で作るのであれば当然加速器それ自体を動かす必要があるわけですが, 人類が手にしているどんな加速器でもそもそも実用的なレベルの推進力が得られるだけのニュートリノが 作れません.残念です.
3.ニュートリノの重さは一定ではありません.ニュートリノには大きく電子ニュートリノ, ミューニュートリノ,タウニュートリノの3種類があります.これはレプトンの一種なわけですが(Googleさん有難うアセアセ)これと対をなす荷電レプトンが存在し,それぞれ電子,ミュー粒子,タウ粒子があります. レプトンはクォークと並んで3世代あることが分かっており,この世代は粒子の重さ以外の部分は ほぼ全て一緒です.軽い順から並べると電子ニュートリノ,ミューニュートリノ,タウニュートリノ の順になるので当然タウニュートリノの方がずっと重くより大きな推進力を得ることが可能なわけです. ですがねぇ,こいつら全部ダメなんです.全部軽すぎるんです.軽いはそれだけ光に近い速さで噴射出来て光速付近まで加速できる可能性がある点だけは魅力的なのですが,その反面,大きな推力を得ることが全くできないんです.これでは永久に地上から飛び立つことはできそうにありません.一番カッコ良さそうな推進方式なのに大変残念です.自分,形から入るタイプなんで.
良い点
- なんでも素通りしてしまうため光子ロケットと違って真下の人が丸焼けにならない.
- 光速付近まで加速できるのは今のところ光子ロケットとニュートリノロケットしかない.
- 以上
二つだけじゃ寂しいので一個だけ追加しておきました.サービスですよ\ (^o^) /
詳しい説明
1.光子ロケットはエネルギーさえ供給すればレーザー装置が故障しない限り半永久的に 推力を得ることができる点は魅力的です. しかしその代償としてロケットの後方があっという間になんでも丸焼けにしてしまうほど強力な 光が放出されてしまうという危険性があります. しかしニュートリノロケットはたとえ大きな推力を起こせるほど多量に発生させてもほぼ 安全なレベルしか通常の物質との相互作用が起こせませません.このため将来ニュートリノロケットができると全く安全なロケット推進方式になることが期待されます. 余談ですが,私,ニュートリノとタイプするつもりで尿取りのとタイプしかかりましたorz.. 嘘です.ええ,そりゃもう.
2.ニュートリノは基本的に大変軽いです.光子の質量が実はゼロしかないためいつでも必ずどこかの方向に真空中なら光速度で運動していることは知られていますが,ニュートリノは質量がある素粒子の中で 最も軽いので最も光速付近まで加速できます.というかビュンビュン飛んでます.ニュートリノの中には光速の99.8%の速度で飛ぶものがあり,超新星の爆発のニュートリノが超新星の爆発で起こった光より先に届いたとの誤報が日本の研究者によって発表されたことすらあります.このときは世界中の中でも 特に日本のアマチュア物理愛好家らが喜び,実はニュートリノは超光速粒子のタキオンだったのでは? などと騒ぐ人たちも沢山居て物議をかもしました.当然僕もその中の一人だったわけですがorz... 後で分かったのは観測装置の接続にゆるみがあって光の信号が実際より遅れて届いているように計測してしまったようだったとのことの様です.ちょっと詳細は僕も失念してしまったわけですが.
まとめ
こうしてみてみるとニュートリノ推進方式のロケットエンジンは様々な欠点はあるものの もし完成すれば光子ロケットよりはるかに魅力的なものになることが期待されることが想像されます. 欠点についてもそのほとんどは作ることの困難さに由来するものが殆どで もし何らかのブレークスルー技術が開発されれば十分魅力的なものとなる可能性を秘めてそうです. ニュートリノ推進ロケット.果たしてそんなものがTATSUJINのゲームに出てくるように実用化される日はやってくるのでしょうか?
これで第一部は終わりです.
第二部では具体的に僕自身が考えたブレークスルー技術によってニュートリノ推進ロケットが さらに夢のある技術になってゆくことをご説明する予定です.
ここまで読んで下さって感謝いたします.
何か間違い等ございましたらご報告宜しくお願いいたします^^