ども,竜太です.
今回は火星に向かう宇宙船でいったいどんな活動が必要か?などについてお話します.
宇宙飛行士は忙しい
火星に向かう宇宙飛行士たちは大変忙しくなるものと思われます. 船内での活動を考えてみると,
- 船内設備の点検・保守
- 船内の清掃
- 物品の在庫チェック・入力
- 地球側との通信・連絡
- 船内農業活動
- 船内の牝鶏などの世話
- 調理
その他です. その他にはゴミ出しやヘルスチェックなども含まれます. それでは個別の活動について具体的に見ていきましょう.
ゴミ出し
まず最初はゴミ出しです. 宇宙船では極力資源を循環させて無駄が出ないようにしますが,それでも最終的に廃棄するしかないものが出てしまいます. 例えば汚水などですが,水再生システムを使用しても毎日数十リットルは汚水が出ますし,この汚水はあまりにも不純物の濃度が高く, 農業用水にすら使えません.この汚水をため込んでおくと宇宙船自体の重量が減りませんのでロケットエンジンの推進力の無駄になりますし, 第一居住スペースが無駄になってしまいます.そこでこの汚水は船外に捨てるのがベストということになります. 同様に,水再生システムのフィルターカートリッジも使用済みのものについては捨てるしかありません. 宇宙船はできるだけ軽くして居住スペースも広く衛生的にしたいので捨てるっていうのはメリットしかありません. どんどん宇宙船外に捨てましょう.
農業
不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,農業を大々的に宇宙船内でやるのはあまりお勧めできないかもしれません. というのも,
- 農作業はそれなりにきれいな水が大量に必要だが,宇宙船では水は貴重.
- 農作業と調理に大変な手間がかかる
- 農地が大量に必要だが宇宙船はあまり広くはない.
- 農地の広さ分,レトルト食品などの保存食を備蓄しておけば,大量の水などなくても大して手間をかけずに食品が手に入る.
などの理由です.特に最後の理由は強烈で,レトルト食品は簡単に食べられるので宇宙飛行士たちの時間を大量に拘束することがありません. その分別の作業に当たれるわけです.
とはいえ,小規模な農業ならそれなりにできますし,たまにはフレッシュな食材も食べたいかもしれません. 小規模なら農業もそれなりでしょう.
牝鶏を飼う
農業があまりよくないといったのでまた不思議に思うかもしれませんが,宇宙船内には10羽程度卵を産む牝鶏を飼うとよいでしょう. というのも,牝鶏はストレスが少ない環境ならほぼ毎日卵を産みますし,万が一産まなくなってもその肉は新鮮な鶏肉として食べられるからです. 牝鶏はまた飼うのも簡単です.鶏用の配合飼料があれば簡単に育ちますし,牛などと比べるとはるかに小さいので飼うのは簡単です. 一点注意すべきは鶏の糞は人体に有害ですが,宇宙船内は原則,無重力ですので吸入装置がないと糞が船内に飛び出してしまうという点です. とはいえ,この対策はさほど難しくはなさそうですので,やはり牝鶏を飼うのは有望でしょう.
牝鶏は火星についた時も活躍します. 火星の居住スペースで飼うことも可能でしょう.
調理
宇宙飛行士たちは様々な仕事のスペシャリストが望まれます. 特に医師と調理士,栄養士は必須でしょうか. おいしい料理を食べられることはもちろんですが,卵を産まなくなった哀れな牝鶏をおいしく捌くのだって普通の人には難しいかもしれません. 何しろ火星まで科学ロケットで飛ぶのに9カ月程度はかかります. その間レトルトじゃない食品を食べたくなる日もきっとあるでしょう. パン焼き機で焼いたふっくらとしたパンに牝鶏が産んだ卵で作ったスクランブルエッグは宇宙飛行士たちのご馳走になるかもしれません.
原子炉の運転・保守
先ほどパン焼き機が登場しましたが,パン焼き器を動かす電力は当然原子炉から供給することになるでしょう. 電力はまた,大量に備蓄した水から電気分解で船内で呼吸する酸素を生み出したり,エアコンや空気清浄機の運転にも使用されます. 原子炉はどうしても必要といえるでしょう. このため宇宙飛行士は原子炉の保守・メンテナンスも大切な活動となります. ソーラーのように小さな電力でしかもパネルの向きや影を常に気にしなくて済むので原子炉はやっぱりどうしても必要です.
物品の在庫チェック
物品はどれだけ使ってどれだけ残っているのか常にチェックしておく必要があります. そうでないとこのままではすぐになくなってしまうから節約しよう,などができないからです. もっと言うと宇宙船には株式相場のシステムが必要で例えば水の先物相場が上昇しているなどのときには 後続する貨物船で多めに水を輸送するなどの対応が取られるべきでしょう.
船内の清掃
これは当然ですね. ですが,宇宙飛行士たちは主に男性が多いので案外苦手な人も多そうです. 船内で衛生的に健康にさらに見通しよく暮らすには定期的な清掃が必須でしょう.
地球側との通信
これは地球のスタッフと地球側でしか対応できないことなどを処理してもらう際などに必要です. もちろん定時報告とかも必須でしょう. 例えば,非常に難しい問題の解決方法などで6名程度の乗組員だけの力では解決できないようなことは地球のスタッフに任せます. いうまでもなく重要な仕事になります.
宇宙飛行士の性欲処理問題
はい,なんていうか,あれですね. 一切ブラックボックスがあってはならない宇宙開発において男性宇宙飛行士たちの性欲処理問題は重要です. 特に女性宇宙飛行士が乗船する場合,もし妊娠でもしたらことです. これについてはきちんと対策を取っておく必要があるでしょう.
人間関係
何しろ6名程度の人間が非常に狭い空間に閉じ込められて9カ月程度暮らすのですから, 人間関係の問題は重要です. このため,精神病などを患っていない心身ともに健康な宇宙飛行士候補生たちを6人程度で閉鎖空間で9カ月程度暮らさせ, チームワークがうまくできるかなどをテストする必要があります.喧嘩などが絶えないチームはそもそも火星移住計画の乗組員にふさわしくないということです.
水の節約は最重要課題
実はこれがあるため女性は火星に向かう宇宙船の乗組員に向いていないのですが, 宇宙船では常に水が欠乏しています.50トン水を持って行っても毎日30分シャワーを浴びないと気が済まないような潔癖症ではとてもやってけません.
僕ですか? 僕は地球にいますので水のことは気にしないでジャンジャン水を使っています. でも宇宙飛行士になって火星に向かう宇宙船に乗ったら恐らくシャワーは1週間に1回程度が限界かもしれません. 不潔だって? たとえ不潔でもそのぐらいしないとまずいのが火星移住計画です. シャワーで使う水の量は飲み水よりはるかに多いです. 加えて飲み水は多少は飲まないと死んでしまいますが, シャワーは1週間浴びなくても死ぬことはまずありません. これだけは我慢してください. 火星に移住したいなら.
いかがだったでしょうか? 案外普段の生活の延長線上にあることが多くなかったでしょうか? 火星に行くったって結局は人間が行くのですから,やや普通の生活力も求められるのです. その上で,電気の工事などの特殊な資格も必要となるでしょう.
ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^