竜太のテクニカルメモ

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物理学~最大対称化の原理~

ども,竜太です.

今回は僕が物理学の基本原理として提唱する『最大対称化の原理』についてお話します.

タイムパラドックス多世界解釈

タイムマシンで未来から『YES』と送られてきたときだけ『NO』と過去に送り返し, 『NO』と送られてきたときだけ『YES』と送り返すプログラムをタイムマシン上で動かしたとしましょう. これを実行すると,必ず『YES』か『NO』が未来から送られてきて,未来になった時点で過去に送り返すのは 必ずあべこべになってしまうはずです. これが意味するところは実際どういったものでしょうか? これは実はどちらの場合も『YES』を送る未来と『NO』を送る未来の両方が存在することを意味し, 量子力学の解釈問題でコペンハーゲン解釈ではなく多世界解釈(エヴァレット解釈)が正しいことを意味します. ただし,厳密に言えばこのエヴァレット解釈も正しくありません. 何故ならエヴァレット解釈では異なるパラレルワールド同士は情報連絡ができないと想定されているのに, このタイムパラドックスの理論ではそれができるからです.

多世界解釈の優れた点

この多世界解釈はタイムマシンのパラドキシカルストラクチャーを説明できるだけでなく, 物理的解釈として数学的に優れた特徴があります. それは『最大限に対称性がある』という点です. そのことを見るためにまずはコペンハーゲン解釈を見てみましょう. コペンハーゲン解釈では猫が生きている世界か猫が死んでいる世界しかありません. したがってゾンビ状態の猫が死んでしまったら,もうその時刻には生きている猫のことを考える必要は全くありません. 文字通り,状態が収縮してしまうからです. 猫だと分かりづらいのでコイントスを考えましょう.もしコインが表が出たら,もうその時刻にそのコインが裏だった世界などは存在しないと考えるのがコペンハーゲン解釈です.これは一見至極まっとうに思えます.ところが数学的に考えると実は至極不自然な状態なのです. 何故なら,物理の法則でこれでもかというほどに立証されてきたことの事実に「禁止されていないことはなんでも起きる」という基本原理があります. 例えば惑星の運航はニュートンの法則が禁止しない限りどんな軌道でも可能であり,例えば3つの天体で8の字運動をする軌道なども見つかっています. また別の例では電磁気学マクスウェル方程式が禁止しないあらゆる現象が観測されています. さらに量子力学では数学的に禁止されていないという理由で複素数の波が登場します. このように物理学では禁止されていないことがすべて実現されるというのがたびたび目撃されてきました. そのことで考えてみるとコインが裏が出る世界を禁止する理由が見つかりません. 百歩譲って表が出たこと自体が裏が出ることを禁止しているじゃないか!と言ってもこれにもまだ不満が残ります. それは対称性の問題です.

物理学は対称性を求めている!

表が出た世界は存在するのに確率的に同じくらいの確率で起こる裏が出る世界が存在しないというのは理由はどう説明されるのでしょうか? コペンハーゲン解釈では「偶然そうなった」と解釈するほかありません. これでは量子力学の時間発展演算子は確率演算子としてしかユニタリ性がないことになってしまい, 「禁止されてないことはなんでも起こる」の原則に反します. 一方,多世界解釈では表も裏も平等にどちらの世界も等しく存在するとします. 理論に高い対称性があることが分かるでしょうか? 一方,コペンハーゲン学派からはこんな声も聞こえてきそうです. 「その代わり多世界解釈ではどっちの世界に行くか当てられないじゃないか!」 実はこの指摘は二重の意味で間違っています. まず一つ目はどっちの世界に行くか分からないはそもそも対称性の原理に違反しないということが挙げられます. ちゃんと時間発展が多世界としてユニタリな高い対称性を保っていて数学的に完ぺきだということです. もう一つは具体的に基本的未来制御法を用いれば,将来所属する世界すらコントロールできるということです. これにより,コペンハーゲン解釈の妥当性は全くなくなりました.

最大対称化の原理

今回,「物理的現象は数学的に禁止されていないことはなんでも起こる」という原理を紹介しました. 実は今回の対称性も原理化できて,

「物理理論は対称性を最大にするように作られている」

という原理があることが分かります. この原理を適用すると次のような可能性が存在しえます.

「タージオン(光速より遅い速度で運動する物質)がローレンツ変換に従う形で存在するから, タキオンという光速よりもはやい速度で運動する粒子がローレンツ変換に従う形で存在する」

という可能性がありえます. これは数学的に禁止されている場合には逆に絶対に存在できないのですが, ローレンツ変換を眺めてみる限りは今のところ禁止されている証拠はまだありません. したがって,しいて言えば現在のところタキオンは存在するだろうと思われます.

ところでここで作用原理をご存じの方は,こう考えるかもしれません.

最小作用の原理が成り立つ場合があるのだから対称性も最小の場合があるのでは?」

ところがこれは全くダメな考え方なのです. 何故なら対称性を最小にしてしまうと理論の美しさがまるでなくなってしまって極めて不自然な特殊な状態が生まれてしまうからです. 例を出しましょう.

  1. ニュートン力学で現れるガリレイ変換は時間と空間に対称性はないが特殊相対論で現れるローレンツ変換には対称性がある.
  2. 特殊相対論では慣性系と非慣性系を同等に扱えないが一般相対論では扱えるという高い対称性がある(一般共変性原理)
  3. シュレディンガー方程式では並進対称性・回転対称性はあってもローレンツ対称性はないが,ディラック方程式には並進・回転・ローレンツ対称性が存在する.

等々です. これらをまとめると物理学の指導原理には,僕が特に重要だと思っている原理には次の三つの原理が存在することが分かります:

  1. 最大対称化の原理 数学的に禁止されていない限り,対称性を最大にとるのが物理法則です.
  2. 作用原理 物理法則は常に作用が極値をとるようなものが実現されるという原理です.(変分原理ともいう)
  3. 禁止されていないことはなんでも起こる原理 数学的に禁止されていなければ例えば,素粒子の対生成もあれば対消滅もあることなどが分かる.

これらの原理のうち,特に1が重要です. 何故ならこの観点ではタキオンはむしろ存在したほうが好都合だからです. そこで僕は将来,アインシュタイン方程式に現れるエネルギー運動量テンソルタキオン場のエネルギー運動量をとったらどうなるか試してみたいと思います.

こうご期待.

ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^


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