竜太のテクニカルメモ

物理やへっぽこなゲーム作りについて易しく解説するよ

ユニティちゃんライセンス

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伝わる空間を必要としない通信装置

ども,竜太です.

今回は割と大きな発見が出来ましたのでご紹介します.

従来の通信の欠点

従来の通信の代表例は電波と光ファイバーなどの通信線を使ったものです. このうち後者は線が切れればすぐに通信できなくなるので明らかですが,電波でさえ途中の空間に電波を通さない物体があれば通信は途切れます. また重力波が将来通信に使えたとして,波としての性質がある以上,途中の空間の物体によってはうまく通信できない可能性が高いです. これは数学的に言えばある単連結閉局面で覆われた内側と外側で情報をやり取りする場合,従来の通信ではその面のどこかを情報が横切らなければならないということを意味します. 従来の通信ではこれを解決するのが不可能でした. ですから例えば,単連結閉局面として電波の遮蔽された密室を作り,その中に電波で通信する盗聴器を仕掛けても原理的に外部からは盗聴できないことになるわけです. 従来の技術ではこれを突破することが不可能でした.

ホログラフィー原理

実はこの世界にはホログラフィー仮説というのが存在し我々は空間三次元時間一次元の4次元時空に住んでいるようで実は一つ次元の低い3次元のホログラフィーに住んでいる可能性があるという仮説が存在します.この仮説はマルダセナという物理学者が考えた仮説ですが,特殊な時空では事実これは正しいことが分かっており,AdS/CFT対応と呼ばれています. 具体例としてはエッシャーの『天使と悪魔』というだまし絵がそのAdS空間の例です.

天使と悪魔

上の絵はエッシャーの天使と悪魔ですが,内部の空間と一番外側の円周部の空間が次元が異なるにもかかわらずある面では同じ情報量を持っているということを表しています. この場合我々が内部の空間(=2次元)の空間に住んでいても境界の円周部(=1次元)の情報量しか含んでいないことになるわけです. 今考えているのはAdS空間のような空間ですが, AdS空間ではない実は我々の宇宙でも成り立っているというのがマルダセナ予想(の一部)になるわけです.これはまだ立証されておりません.

ホログラフィー原理からわかること

3次元空間が2次元空間分の情報量しか持ってないとするとどんなことが起こるでしょうか? そうですね,簡単に言えば「情報落ちがどこかに必ず存在する」ということになるわけです. これを2次元格子内に配置した手袋で例えましょう. 10\times 10マスの格子内に右手か左手の手袋をでたらめに配置したとしましょう. 完全にでたらめですから,右手を0,左手を1とすれば各升目に2通りの手袋が配置できますので升目の数より手袋の組み合わせは2^{100}通りあるわけです. ずいぶん莫大ですね. さて今度は情報落ちがあったとしましょう,例えば2^{50}通りしかなかったと仮定しましょう. すると困ったことに今度は原理的に手袋が自由に右手と左手を配置できません. どこまで配置できるかというと,ぴったり50個の右手の手袋しか配置できません. ぴったり50個の手袋を100マスにでたらめに配置したらあとはせいぜい左手の手袋を残りの升目に配置することしかできません. 何故なら残り50個が左手なら情報量は何も増えないからです. ここで次のように考えてみましょうこの右手と左手の手袋は見た目はどれも一緒だが,本当は自分の相手の手袋がただ一つだけ存在するとします. ただし,見た目上は一見見分けがつかないとします. 情報量は増えるでしょうか? 実は情報量は増えません.しかも驚くべきことが起きます. いま仮に相手の手袋と位置を取り換える操作ができたとします. 情報量は増えるでしょうか? 増えませんね. しかも手袋だけは入れ替わっているので隣の手袋から見れば右手の手袋が左手に,左手の手袋が右手に変わったのが分かってしまいます. こうして手袋宇宙の世界全体の情報量は変わらないのに隣の手袋人から見れば手袋の入れ替えだけで情報の送信ができてしまうわけです. この方式に途中の空間は関係あるでしょうか? あるわけありませんね.何故ならいくらでも離れた手袋が直に相手が存在するからです. こうして手袋宇宙では手袋人たちは手袋の交換だけで情報通信ができ,しかも伝わる空間など全くいらずに瞬間的に通信ができてしまうわけです. しかもこの方法では手袋宇宙に情報量の保存という物理法則が成り立つことになるわけです.

現実の我々の宇宙は手袋宇宙とおんなじだった!

実は手袋宇宙は私の考えたトイモデルなだけで現実の宇宙も手袋宇宙とおんなじなのです. この右手の手袋に相方の左の手袋が存在しこれらが深く結びついているというのが物理用語でいうところの『量子もつれ』あるいは量子エンタングルメントだったのです.

光子の量子テレポーテーションが使える!

光子の量子テレポーテーションはまさにこの手袋の入れ替えに相当します. そのため,いくらでも遠方に瞬間的に間の空間を情報が伝わることなく直に通信ができてしまうのです. ただし,光子のもつれはいきなり遠方に発生させることは不可能で最初は電波などで通信できるすぐ近くに作らなければなりません. そしていったんできてしまえば,壊れない限り永久に永遠にいくらでも離れた所にもっていっていいのです. エネルギーもごくわずかしかいらずほぼ距離によりません. こうして伝わる空間を必要としない通信装置が作れることが分かりました.

どういった役に立つか?

これにより月の裏側と直に通信できるようになります. これにより,一対一通信の場合,電波による通信は古臭い技術になる可能性があります. またこの装置は電波を出さないし,電波を通さない密室からでも通信できます. 完全な盗聴器ができてしまうのがいいのか悪いのか^^;

ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^


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