ども,竜太です.
今回は火星移住計画で使用する『全危険事象登録参照システム』についてご紹介します.
火星移住計画では様々な事故が想定される
火星移住計画では例えば宇宙船の原子炉のメルトダウンや宇宙飛行士が船外活動で失敗するなど様々な事故・事件が発生しえます. 実際上はそれらの事故をゼロにすることはほぼ不可能といってよいでしょう. そこで事件・事故はもちろん,事故と呼ぶには小さすぎるか適当でない事象全体にわたって情報や対応履歴をデータベースにとっておく必要があります. そこでこの火星移住計画で使用する『全危険事象登録参照システム』通称ガラパゴスについてみていきましょう.
全危険事象登録参照システム
ガラパゴスは次のようにコールセンター業務で使用されるシステムによく似ています. ガラパゴスは危険事象の対応履歴一件一件からなるデータベースであり,危険事象の発生日時や対応履歴がその事象ごとに記録されます. また,現在のステータスとその対応時のステータスがリアルタイムで表示され,ステータスについては例えば
- 対応中
- 問い合わせ中
- 取り込み中
- 確認中
- 発送中
- 返答待ち
- 対応待ち
- 緊急対応待ち
- 対応済み
- 誤入力
- 誤情報
などなどがあり,基本的に対応が終わってクローズされた案件については対応済みのステータスになります. また,危険事象だと思ったら間違いだったなどは誤情報などのステータスが付きます. ステータス別に検索できるので例えば『緊急対応待ち』の案件だけを検索かけて表示することもできます. また,ステータスは自由に追加できますが,例えば新たに『質問中』というステータスを作ったが, よく考えてみればこれは『問い合わせ中』と同じだなと後で気づいた場合,このステータスを対応履歴で使用していない場合は
「ステータス『質問中』は使用されていません.このステータスを削除しますか?」
と表示してステータスごと削除でき,このステータスがどこかの対応履歴で使用されている場合は
「ステータス『質問中』は使用されています.このステータスを凍結あるいはリベースしますか?」
と表示して,ステータスは残しステータス選択画面から削除したり,『問い合わせ中』で置き換えたりできます.
また,対応履歴はユニコードを使用しているので,各国語選択のプルダウンリストから例えばフランス語を選択し, 普段使う言語に設定するのチェックボックスにチェックを入れフランス語で入力することができます.
このようにするため,宇宙飛行士たちは自分の母国語である英語・ドイツ語・ロシア語・日本語・中国語など様々な言語で入力できますし, 対応履歴を表示するときはすべて選択した言語によって機械翻訳にかけすべての対応履歴を母国語で確認できます. また,もし機械翻訳に不安があれば,原文を表示からオリジナルの文章を表示できます.
また,言語の選択をしておけば音声入力や出力にも対応します.
次の例は水再生システム(Water Recovery System: WRS)が故障して宇宙飛行士が,汚水を飲んでしまったという想定の対応履歴です: (簡易的な例のため,詳細は端折ってます)
水再生システムの故障の対応履歴(サンプル)
作成日時:2021.11/10 6:37 対応者:富岡竜太 発生時刻:2021.11/10 6:30頃 発生場所:広域国際宇宙ステーション給水塔 ステータス:確認中 事象危険性総合指標:7/20 事象詳細:宇宙ステーション内の水道の水が匂う 言語:日本語
対応日時:2021.11/10 7:21 対応者:ロバーツ・ギャラ ステータス:調査中 事象詳細:水再生システムの故障か? 言語:英語
対応日時:2021.11/10 7:34 対応者:ロバーツ・ギャラ ステータス:問い合わせ中 事象詳細:WRSのユニットが赤色に点滅中.広域国際側にエラー内容を問い合わせ中
対応日時:2021.11/10 7:40 対応者:若井武 ステータス:確認中 対応内容:WRSのマニュアルで赤ランプ点滅を調査中
対応日時:2021.11/10 8:13 対応者:若井猛 ステータス:対応依頼中 対応内容:WRSのフィルターカートリッジの交換が必要.交換後ランプが緑色になればOKなはず
対応日時:2021.11/10 9:27 対応者:富岡竜太 ステータス:対応済み 対応内容:WRSのフィルターカートリッジを交換.ランプ緑点灯確認.おいしい水が出たのでクローズとする.
対応日時:2021.11/10 10.11 対応者:安全課佐藤勝則 事象危険性総合指標:9/20 対応内容:事象危険性総合指標を7→9に変更
ガラパゴスは当然ありとあらゆるメディアが貼り付けられる
例えば必要であればYouTube動画なども貼り付けられるようにします. そのためにはIPパケットを送受信できるようにする必要があります. ただし,宇宙開発で地球とIPパケットの送受信するのは大変重くなりますので,通常はインターネットの動画などは対応履歴にUPしないのが望ましいでしょう.
全危険事象登録参照システムは一般化してコールセンター業務を行えるアプリにするのが良い.
このシステムを火星移住計画だけに使用するのはもったいないので, 広く一般のコールセンター業務などにも使えるようにするとよいでしょう.
事象危険性総合指標について
その事象の危険性が総合的に見てどれだけ危険かを表した数値を事象危険性総合指標と呼びます. 事象危険性総合指標は例えば20段階ぐらいにしておいてどの位危険かを表します. この場合例えば20は火星移住計画のすべてがご破算になった場合などで,15は死者が出た場合などです. つまり,火星移住計画のような大きな計画ではもはや死者が一人出た程度ではMAXの危険性とは呼べないということになります. 大変残酷な話ではありますが.各事象に対してそれぞれ事象危険性総合指標を割り当てます. 割り当ては原則入力者が行い,入力者はその事象を発見したものなどが行います. このため数値の割り当てに個人差が現れる可能性もありますので,最終的には広域安全課に事象危険性総合指標の数値を書き換えてもらうなどの対策が必要です.
この案を商品化してもいいよという方がいらっしゃったらご連絡お待ちします. サイボウズさん如何ですか?
ここまで読んでくださって有難うございます. 何か間違い等ございましたら,ご報告いただけると幸いです^^